大家さんの知恵袋

満室最前線2016年3月号 トップページ

(2016年 3月 10日)

注目度上昇中。
「家族信託」の活用で
上手な資産のコントロールを。


 昨年の相続税制改正以降、「家族信託」という新しい手法に注目が集まっています。遺言だけではカバーできない被相続人の思いを叶えるという同制度、いったいどのようなものなのでしょうか。

■家族信託とは?
 財産を所有する者が、その財産の運用や管理の権限を誰かに託す  これが信託です。つまり家族信託とは、信託銀行等ではなく家族(妻や子、その他親族)に財産管理を任せるかたちの信託のことです。
 財産管理を比較的手軽に、信頼できる家族に任せられるのが家族信託の利点です。そして何より、相続発生の「前」と「後」のそれぞれにメリットがあることが注目を集めています。

■長寿命社会。認知症
 リスクにどう備える?
 日本は高齢化もさることながら、長寿命化に伴う認知症の増加も大きな問題となっています。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症に罹患すると言われ、政府や自治体もその対応に動きはじめました。
 家族信託は、この認知症リスクにも効果を発揮します。判断能力を失ってしまった場合、一般的には成年後見制度が用いられますが、同制度は本人の財産保全に焦点がおかれているうえに、判断能力喪失後にしか機能しないデメリットがあります。一方、家族信託は信託後すぐに財産管理が始まり、管理を委託された受託者には目的の範囲内で資産活用を行なう権限が与えられます。元気なうちから財産の運用状況を確認でき、万が一の際にも売却などを行えるだけの権限を家族に与えておくことができるのです。



■遺言は一度きり。
 その後の財産をどうする?
 家族信託が注目されるもう一つの理由が「後継ぎ遺贈型受益者連続信託」という機能です。信託は「委託者」と「受託者」、そして財産管理によって発生した利益を得る「受益者」の三者によって成り立ちますが、この信託は「受益者を誰にするか」を、指定された受益者の死亡を条件にコントロールすることが可能です。
 高齢の父親が、所有するアパートについて長男と信託契約を結ぶケースを考えてみましょう。委託者は父、受託者は長男、父親がまだ元気なのでアパートの家賃を取得する受益者は父親本人のままとします。そしてこの信託に「自分の死後は妻を受益者とし、妻の死後は二男を受益者とする」という条件をつけます。先々の受益者を予め設定してしまうのです。これで妻や次男に家賃収入を遺す準備ができたことになります。


 もちろん、遺言で妻にアパートを相続させることもできます。しかし、相続発生時に妻が重度の認知症になっていたらどうでしょう?
 相続しても、その資産は成年後見制度のもとで保全されますが、成年後見制度はあくまで保全が目的なので、建替えや売却はもちろん空室対策としてのリフォーム工事も敏速にはできません。的確な対策が行われないまま、やがてアパートは不良資産となり、将来、2人の息子が妻の相続の際に押し付け合いをすることになるのです。
 信託によって受益者をコントロールすれば、こうした事態を回避できるだけでなく、特定の人物に財産を遺すことが可能になります。家督相続などとは特に相性がよく、まだ産まれていない孫や姪甥を受益者として定めることもできますので、一族の資産の流出を長いスパンで防ぐことができます。

■信託の「前」がいちばん大事
 メリットばかりに感じる家族信託ですが、もちろん注意点もあります。まず、節税のメリットはありません。むしろ相続税制の優遇措置を受けられない場合もあり、あくまで遺産分割対策の機能しかないことを理解しておきましょう。
 そして、遺産分割対策である以上、信託前の家族との話し合いが非常に大切であることもご認識ください。受益者の決定は、言わば遺産分割協議そのものです。また、財産を管理する受託者も慎重に選ぶ必要があります。家族信託は信託「前」が肝要と心得ましょう。
(原稿協力/オーナーズエージェント株式会社)
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